UP20051204

          鋼鉄の都市抜き出し突っ込み編

 


「シュバルツバルド共和国の首都ジュノーに、飛行船が降り立つようになったようです」
 プロンテラ大聖堂の一端を担う修道士のひとりであるテルーザ室長の言葉に、招集をかけられた聖職者たちの中から微かなどよめきが起こった。
●や、ゲーム中で実際に聖職者が招集されることなんてありませんから。ハイ。


 実際、シイナもジュノーには何度か赴いたことがある。進んだ科学力によって都市そのものが空中に浮遊しているという稀有な場所だ。研究者が集うセージキャッスルの最奥で、迷って出てこられなくなったこともあったっけと過去を振り返る。最近ではご無沙汰している国だ。
●これは事実です。所用で仲間たちとジュノーに出掛けた時に、地下室に潜り込んで出てこられなくなりました。だって入ってきた扉を戻ろうとすると元の部屋ではなく違う場所に出てしまうという、意地悪な迷宮だったんだもん……。


「アンタみたいな観光客が増えてきて辟易しているよ。物見遊山でロクな準備もせずに訪れて、挙句に身体に悪いだの見る場所がないだのと文句ばかりを残していく。その何もない場所に遊びに来る金の余裕があるなら、他の観光地にでも行けばいい」
 フン、とそっぽを向く案内員。なんと聡明なことか。シイナ的には結構面白かったりもするのだが、これでお役目が務まるのかとこちらの方が不安になってしまう。
「その失礼な他国に大々的にアインブロックへの門を開いたのは、ほかでもないシュバルツバルドの方だがね。ああ、でも君個人に国の方針についてどうこう言っても仕方のないことだな。他の観光客の事を言われても私には関係ないのと同じくらいにね」
 楽しそうなシイナの言葉は、案内員の神経を逆撫でするには充分だったが、それと知っていてやっているのだから、シイナの方も始末に終えない性格をしている。
「案内員なんて接客業を続けて行きたいなら、我慢を憶えるのも必要な事だと思うがね。案内ありがとう。助かったよ」
●案内員とこんな喧嘩はもちろんゲーム中では勃発いたしません。彼らはいつも同じ場所に立って、真面目に淡々と街の案内をして下さいます。ああ、喧嘩でもいいから個人的に仲良くした〜い(腐女子め)。


「緊急事態発生。工場からの煤煙により、大気汚染濃度が危険値まで到達しました。住人の皆さんは、速やかに屋内に非難してください。繰り返します――」

「なんだ……!?」
 町全体に響く音量で放送が流れ出し、急に辺りが騒がしくなった。と同時に、外を歩いていた人々が慌てて駆け出し、それぞれがどこかしらの建物の中へと逃げ込みだす。随分と慣れた様子で、オロオロとその場に立ち尽くすような人間は誰一人としていない。
「大気汚染濃度って一体……って、確かにこの煙、ただ事じゃないぞ……!?」
 最初にこの街に来たときとは比べ物にならないほどの、大量の煙。さすがに咳き込みそうになるシイナの視界に、煙以外の何かが見えた。
 いや、煙は煙だが……。
「モンスター!?」
 大気中を漂う煙とそっくりな姿を持つモンスターがそこにいた。ルーンミッドガッツでは見たことのない形のモンスターだ。
●実際にはこれは、アインブロックでの工場クエストというシナリオを失敗したした人がいた場合に発生するようです。アインブロックに訪れる人が少ない上に、クエストを失敗する人もあまりいないので、非常事態には実は今まで遭遇したことがなかったり。


「確かに、目に余る奴らってのはいるものなんだよね。それはこっちも悪いかな。けど……まあ、ね。世界中各地を横行するモンスターってのは倒しても倒してもキリがないものでさ。多分一生かけても終わることがなくて……いかにも楽しそうに狩りをしてるように見えるんだけど、ん、まあ実際楽しんでる人間もいるんだけど――楽しむくらいの気持ちでなきゃ、やってられない時もあるんだ。申し訳ないとは思うけど、少しだけ大目に見てもらえるとありがたい、かな」
●いやそもそも……モンスターを倒すのが目的のゲームなんですけど(笑)。


「シイナ様が外出されましたあとに、一度フロント担当が入れ替わったのですが……その……その時に、私のかわりに入った者が……シイナ様のお部屋に、別のお客様を入れてしまったようでして、私も今までその事にまったく気付きませんで……」
「え?」
「まことに申し訳ございません!!」
「はあ……」
 鍵が見当たらなかったワケだ。ダブルブッキングとは。実際そんな事があるのかと、そんな場合ではないような気がするが、シイナは妙な部分に感心してしまう。
●クエスト中はシドクスに会うためにホテルに向かうわけで、当然ホテルに部屋を取っているわけではないので、ダブルブッキングというのは実際にはありえませんけどね〜。ゲーム中、ホテルや宿屋に泊まるという習慣はありませんし。最近は宿屋で回復もやってもらえるらしいですが、基本的には聖職者の回復だとか、そこいらに座って自然回復を待つというのが普通ですから。


「私はね、アインベフを後にしたばかりの頃、この街に逃げ込んだことがあるんだよ。その時に、ひとりの料理好きなブラックスミスに会った」
 変わり者の彼だったが、そのブラックスミスはシドクスにとても良くしてくれた。逃亡に疲れた身体を介抱し、おいしい料理を食べさせ、彼を励まし、匿ってくれた。自分の息子と言ってしまってもいいくらい歳の離れた男だったが、彼のそばは、とても居心地が良かった。
「だが、私と一緒にいたせいで、彼の背後にも不穏な動きを見せる輩が動き始めた。だから私は、彼にも何も告げる事無くこの街を逃げ出すしかなかった」
 あれから何年が過ぎ去ったか。
 シドクスの眉間に、深く皺が寄せられた。
「どうせ私はもう長くは持たない。だから、ここで一目彼に会っておきたかったのかもしれない。このホテルに逃げ込む間際、広場で旅人に料理について熱弁を振るう彼を見たよ。……元気でいてくれた。相変わらず威勢が良かった。きっとその優しさも変わっていないんだろう……もう二度と話しかけることもできないが……良かった。本当に良かった」
「シドクスさん……」
「シイナ君。彼には、アークには、何があっても私の事を話さないでくれ。話せば彼は、その命を投げ打ってでも、私を助けに来てしまう」
●アークという名前は本当はここでは出てこないのですが、このエピソードは実際にクエストの中で告げられたものです。ちょっと時間軸がずれてはいるんですけど、作品の展開的にはこの方が効果的かなと。しかし何だこの腐女子向けな展開は!! シドクスが広場でアークを見かけたというのは氷村の捏造ですが、この二人のただならぬ関係は実際のものです。うう、おいしすぎる……。


「高見の見物といえば、リンゴだろ。リンゴ付きなら見物料は20ゼニー、そうでないなら10ゼニーだ。どっちでもオレの奢りだけどな」
●これはリンゴつきで行くしかないでしょう! 残念ながら案内員君と一緒に展望台に行けるわけがないので、ひとり寂しくリンゴをかじっていたシイナですが。


「両親はいないなぁ。私は大聖堂の裏の墓地で生まれたからね」
「は!?」
「いや冗談。でもまあ、墓地に落ちてたらしいよ。もちろん私は憶えてないが」
●いや、事実ですから! PC(プレイヤーキャラクター、つまり自分のキャラクター)を作成する際、初心者修練場という場所に立ち寄ってくると、職業適性検査を受けられるんですけど、この検査でアコライト(プリーストになる前の一次職。アコライトからしかプリーストには転職できない)に向いていると結果を出された場合に、それに従ってアコライトになりたい、と言って生まれてくると、初めてゲームの中に登場するときに聖堂の裏のお墓に生まれてくるのです(笑)。ちょっと事実をシャレっぽく描いてみましたw


「他の観光客みたいに、他の誰かと一緒に出かけたりはしないのか?」
 ララクセルズがいつも見る観光客たちは、何人かの団体で行動している人間が多かったように思う。どこかにモンスターの討伐に出るという時は尚更だった。
 けれどいつも行く修道院に、単身乗り込むということは、つまりシイナはいつもひとりで行動しているのだろうかと、ララクセルズは解釈したらしい。そしてその解釈は、まあ正しい。
「たまにはそういうのもあるけどね。そういう場合は当然、純然たる攻撃職の人間をフォロー支援する方にまわる。これで案外支援者ってのは、討伐パーティには欠かせない存在だったりもするんだ。だからまあ、普通は力のない聖職者はそうやって誰かと戦うものなんだがね」
 そうやって誰かと、戦うものなんだが、ね。
 シイナは自嘲気味に肩をすくめた。
 聖職者とは、戦う者たちを支援するためにいるようなものだ。不死者が聖職に弱いから単身闘うことが出来るが、本来聖職者は、そんな事のためにいるのではない。
「修道院に執着しつづける不死者はさ。一体何を求めてあそこにいるんだろうと、そういう風に思ったりするんだよ」
 歴史の中に埋もれようとしている、滅びの古城、グラストヘイム。そこに生きて生活する者はなく、薄闇に包まれた城壁の内側には、生あるものを阻むように、無数のモンスターたちがひしめきあっている。
 その古城跡のほぼ中央に、修道院跡はある。
 廃墟となった修道院の闇の中で、彼らは何を祈るのか。どうしてそこに、集まるのか。死してなおこの世にしがみついていなければならない何かを抱えて。
 それは怨念か、この世に対する未練か、それとも他の何かか。
 そんな彼らを、シイナは倒すことで浄化してきた。これまでそれこそ、何千体という数の不死者たちを。
 浄化――いや、はたして本当にそうだろうか。
 シイナがこれまで倒してきた彼らの魂は、どこに、何に向かって旅発つのか。そこには何があるだろう。何も無いかも、しれない。
「死者を眠らせることも、生きている仲間を護ることと同じくらい、大切な事だと自分を納得させてここまで来たよ。けどそんな大義名分を抱えてさ。要は、この世に留まり続けようとする彼らを手当たり次第消滅させてるだけの話だよね。そんな自己満足な討伐に、誰かを連れて行ってはいけないような、そんな気がしてたんじゃないかと思う」
●笑え。つうか書いてる自分が笑っちゃう。捏造はなはだしい! つーか、何でひとりで修道院跡に出かけるかって、そんなの楽しいからに決まってるじゃないか! 危なくなればテレポで逃げればいいし、経験値やアイテム独り占めだし。パーティ組んで出かけるよりは成長遅いんだけど、実際シイナはレベル80〜88まで、殆ど修道院でソロで上げましたとも!! ……もっとも、他人に言わせるとシイナのようなマネはマジでやりたくないそうですが。えらく根気の要る作業らしいよ。これではオンラインゲームの意味が無い? いえいえ、オンラインの醍醐味は他にいくらでもありますから。


 誰もいないように見える廊下の空間から、手品のようにシイナは突然姿を現した。
 職員から見て、シイナの姿はまったく見えていなかったはずだ。こんな時のために、姿を消すことの出来るマジックアイテムを持っていて良かった。
 いくら聖職者であっても、シイナ自身がそんな便利な能力を有しているわけではない。モンスター討伐を生業とする人間が多いルーンミッドガッツでは、モンスターが持っている能力を様々なアイテムに封じ込め、それを持つ人間が同様の能力を発揮できるように開発されたマジックアイテムが数多く流通しているのだ。
 シイナが持っていたのはそのうちのひとつで、これを身に付けていれば一定時間姿を消すことができるというアクセサリーだ。ただし姿を消している間は移動することが出来ないので、探索するには姿を現さなければならない。何にせよ注意は必要だ。
●シーフが使えるハイディングというスキルですな。シイナはハイディングクリップというのを持ってはいましたけど、実際は殆ど使わないので確か売っちゃったはず〜。クエストでは、この研究所は長文を指定時間内に入力することで入れます。


「じゃあ、何故あなたはここで暮らしているんですか?」
 もちろんシイナにそんなつもりはないが、一見皮肉とも取れるようなその言葉を聞いてもアークは機嫌を損ねたような様子もなくただ呟いた。
「……思い出のある地だからね……。待ってる人が、いるのよ」
●この会話は、シドクスクエストではなくアークに話しかけることで発生する料理人クエストでなされます。シドクスクエストとセットでやると、感慨もひとしお〜。クエスト同士が微妙に関連しあってるのねー。


「ここは、どこなんだ?」
 息を切らすララクセルズに、シイナは怒った顔で答える。
「修道院跡だ」
「……ここ、が?」
 人がいないところならどこでも良かったのだ。しかしワープポータルから移動できる場所の数には限りがあって、シイナが空間を繋いである場所で人のいない場所は、ここしかなかった。それでもシイナひとりならどうという事もない場所なのだが。
「ここは危険なんだ。それを……」
 わかっている。不用意にこの場所への道を開いてしまったのはシイナだ。こうなることを予想するべきだった。けれど彼らの前から逃げ出すことしか考えていなかったシイナに、そこまで考える余裕はなかった。
●ポタで修道院には直に飛べませんから! ワープポータルの位置セーブは、ダンジョン内にはできませんから! ポータルは、一部を除く街中と街から2マップぶん離れた場所までしかできないのでーす。いつもシイナは修道院に行く際は、修道院のあるグラストヘイムの入り口のあるマップのお隣までポタで行って、そこからテレポを繰り返して修道院までたどり着いてます。でも作中でそれをやっちゃうとあまりに間抜けだったので……(滝汗)。


「オレから離れるな」
 シイナは迷わず詠唱を開始する。
「輝きの盾をその身に。キリエエレイソン!」
 身体の能力に神の加護たるブレッシング。
 速度増加。
 護りの光エンジェラス。
 幸運の福音グローリア。
 ララクセルズとシイナ自身に、次々と護りの魔法を施して行く。
「本来在るべき光の国へと発ち還れ、ホーリーライト!」
●キリエエレイソンとか、ここでは出していないマグニフィカートなど詠唱時間が長い魔法はかけている間プリは動けないので、下手に相手が動いて画面外とかに行かれてしまうと、かからないのです。シャレではなくプリは良く「離れるな!」と叫ぶ(笑)。エンジェラスとグロリアなんて、実際には殆ど使いませんがねー。グロはまあ、アサシンとかハンターと組んでるときには使いますけど。そしてホーリーライトなんて使って倒してる暇はございませんとも。実際に使用しているのはヒールです。ヒールは仲間の回復に使えるHP回復魔法なんですけど、不死属性のモンスターにはダメージを与えることが出来るんですよー。何気にプリ、強いです。


 嘘をついて逃げたわけではないとはわかったが、その場にガクリと膝をついたシイナは、全身傷だらけだった。
「おい、シイナ……」
 呼びかけた瞬間、周りにいた数人の聖職者から次々と回復魔法を浴びせられて、シイナは何事もなかったかのように普通に立ち上がる。傷は全部消えていた。
「ありがとう」
 つと手を挙げて軽く礼を言ったあと、シイナはララクセルズに向き直った。
「回復できないほど消耗してたわけでもないんだけどね。ここはそういう場所だから」
 こっそりと笑うシイナに、ララクセルズは言葉を返せない。実は彼も、ここに現れた途端に、傷も負っていないのに大量の回復魔法を浴びせられたのだ。ここに来た人間に、無差別に回復魔法をかけて回る聖職者は多いらしい。傷ついて戻ってくる冒険者にはありがたい話だろう。
●今は数が少なくなってますけど、ダンジョンから死に戻りする人が多いゲフェンやアルデバランでは、その地点で辻で回復してくれるプリーストが多かったんです。


「お前、何やってたんだよ」
 逃げないと言ったくせに後から現れないから、正直ララクセルズは不安になっていたのだ。やっぱり逃げたのではないかと。
「ちょっとね。君をポータルに乗せた後、すぐにモンスターが大量発生してさ。そのままポータルに乗ってきちゃっても良かったんだけど、どうも目の前に現れたモンスターは倒しちゃわないと気がすまない性分で」
●ポタを出した術者がそれに乗った時点でポタは消えてしまうので、基本的にダンジョンからポタで帰る場合はプリが一番最後まで残ります。運が悪いとプリだけが死に戻りしたりもする……(笑)。逆にうっかり仲間を置いてきてしまうことも無くはないですが。


「この先に展望台がある。奢ってもらった礼に、ゲフェンの展望台を見せてやるよ。まあ有料ではないんだがね」
 深い谷に掛けられた石の通路を渡っていけば、谷とその向こうにそびえる山脈を一望できる展望台がある。深い水を湛える谷に浮かぶように設置されている展望台に立つと、まるで浮遊しているように感じられる隠れた名所だ。
●ゲーム経験者がこれを見ていたら裏拳で突っ込まれそうです。「ここデートスポットやん!!」みたいな。誰もいないなんて事はあまりなく、恋人同士と思われる方々が良く語り合っておりますよ。ははははははは。やるね、シイナ。


 その美しさに、ララクセルズは目を奪われた。
 生まれて育ったアインブロックとは、雲泥の差だった。平地には草が生え、花が咲き誇り、こうして谷に差し掛かれば美しい湖と谷川の向こうには、色鮮やかな山脈の自然が目に飛び込んでくる。闇に沈むそれらも幻想的なまでに美しかったが、これが昼間だったら、太陽の光をうけたこの場所は、どれだけの輝きを放つことだろう。
●実際ゲーム画面では山脈までは見渡せないんだけどね。つうかゲーム内に現在昼夜の変化はないっての。いつまででも昼間です。


 シイナは黙ったまま、目の前に広がる夕闇の山脈と景色を見つめる。
 その景色が放つ蒼い輝きを宿した光が、一筋だけシイナの頬を伝って落ちた。
 ――どうして君はいつも、そうやってオレを救う言葉を簡単に紡ぐことが出来る。
 思った通りだった。ララクセルズ。彼は人を救うことのできる人間だと。今沈み込んだシイナの心を救い上げたのは、まっすぐで聡明な彼のその手だ。
●ああもう……実際のシイナを知ってる人が見たら、読んでる方が恥ずかしいと頬を覆いながら逃げていくような展開だな……。ε===(*ノノ) 書いてる私もこっ恥ずかしい。


「――ありがとう」
 立ち上がり、ララクセルズに向き合うように振り返ったシイナの瞳は、穏やかな光を宿していた。穏やかではあるが、強い意志を示して彼を見つめる。
「約束してくれ。アークには、何も話さないで欲しい。君ももう、この件に関わらないでいてくれ。オレもこれ以上は事件を追わない」
 結局自分の至らなさで、ララクセルズも巻き込むことになってしまった。
 臆病風に吹かれたわけでも、自分を必要以上に貶めているわけでもない。事実を現実的に受け止めた結果だ。自分はこの件に、これ以上関わるべきではない。
 そう。そうするべき時が来るまでは。
●まあ実際、このクエストはこんな終わり方をしているんですけどね。謎は謎のまま。これ以上関わったら危険だぞ、と。できれば続きのエピソードがほしいなあ。


「暮らそうかな。ここで」
 ポツリと洩らしたようなシイナの言葉に、ララクセルズはポカンと口を開けた。
「なんで!? あんなに奇麗な場所で暮らしてられるのに!?」
 彼の言う事ももっともだ。ここは暮らすにはあまり快適な場所ではないと、ここで暮らす人々は皆言う。だが彼らだって、ここでずっと暮らしているではないか。きっと理由は色々あるだろう。
「好きだよ。この街がさ」
 常に煙に包まれた工業の都市。汚れた空気の中であくせくと暮らす人々は、大雑把で他人の事なんて構っている場合じゃないように振舞っていながら、それでも暖かい。
 赤く錆びた建物や通りは、彼らの労働の象徴だ。
 労働を尊び、創造を重んじ。
 こんな街やここに住む人々を、きっとシイナは愛する。
●普段新しい街やクエストは避けて通りがちなシイナなんです。だって面倒なんだもん。でもたまたま興味を覚えて行ってみたアインブロックが、私的にとっても素敵な街でねー。クエストもラグナロクのエピソード自体に関わってくる重要なもののようで、やっててすごく楽しかったので、もうこの街だけは例外的にお気に入り。実際今シイナはアインブロックに住んでます(笑)。セーブポイントをアインブロックにしているというだけの話ですけど。


 君との出逢いに、感謝する。
●マジで(笑)。






==========================
アインブロックに向かってまず驚いたのは、案内員があまりにかっこよかったこと。完全に女子受け狙ってますよ、アレは。そしてクエストも女性が喜びそうなドラマチックなものが多いし。おかげでまったく言葉を交わすことも無い案内員相手にありえない妄想を繰り広げ、こんな小説を書くまでに至ってしまった、と。
ちなみにシイナの口調って、殆どゲーム中のままだね。ちょっとは変えてあるけど。シイナは氷村が素のままでしゃべっているので、口が悪いこと。普通女性ってさ、あまり日常で女言葉使わないでしょ。だわ、とか、なのよ、とか。いや、使うときは使うけど。だから素のままでしゃべっていると、中身が女だとは殆ど気付かれませんね。そうでなくとも氷村、普段凄く言葉遣い悪いというか男性的だし。どうも何か特徴があるようで、しゃべっていると「(言う事が)シイナだな〜」とか言われるけど。
シドクスクエストやってみたい人! ラグナロクオンライン始めてみたまえ! もっともある程度ゲームに慣れてお金がたまらないとクエスト実行できないけど!
ゲームについてのお問い合わせは簡単になら受け付けておりますよw
さてさてラグナロクでの知り合いの方、万が一ここを見てたとしても、あくまでこの話は自己満足の萌え捏造品なので、突っ込み入れないでね〜。お願いだよ〜。






          このページは別ウィンドウで開いております。戻られる際にはこのウィンドウを消してください。