My heart still belongs there

 

あの小さな街を離れて幾年
ひとかけら、ふたかけら、まだ魂をあそこに置き忘れている

My heart still belongs there

特別、何をしたわけでもない
とりたてて、何があったわけでもない
ゆるやかに穏やかに、ただあの土地に暮らしていた

たとえば春
通りを埋めるほど桜が咲き
誘い出してくれたのは君なのか花なのか
肩を並べて河原をぶらぶら
飽きることも無く眺めていた

通いつめた本屋の棚の並びが変わっていても
週に三日は晩ご飯に行った食堂のおばさんが居なくなっていても

My heart still belongs there
たとえば夏
短い夜を語り明かして
朝日を見に行こうって君と自転車を走らせた
黄金の光に眼を眩ませて、もう交わす言葉も無く
同じ想いでいることを信じた

あのアパートには知らない誰かが暮らしていても
日々歩いていた道の並木が遥かに高くなっていても

My heart still belongs there

街の息吹はこの胸を満たしてくれる

My heart still belongs to you

訪ねれば、何事も無く受け入れてくれる
昨日もそこに居たみたいに、距離を思わせることなく
ゆるやかに穏やかに、暮らしていた頃と同じように

たとえば秋
小さな丘に一緒に登って
てっぺんに着いて別にやることも無くて
雲なんか見上げたりしながら
好きだった歌を代わる代わる唄った

知らないお店が十字路に増えていても
お気に入りの喫茶店のコーヒーは違う味がしても

My heart still belongs there
たとえば冬
窓の外に降る雪に気付いて
二人、夜の底にもぐり込んだ
互いの手を温めあいつつ
白い平原に足跡を残して回った

通り過ぎる風景が記憶を裏切ったとしても
アルストロメリアを買った花屋が閉まっていても

My heart still belongs there

街の鼓動はこの指先を温めてくれる

My heart still belongs to you

あの小さな街を離れて幾年
ひとかけら、ふたかけら、まだ魂をあそこに置き忘れている

あの日、見た程には空が青くなくても

My heart still belongs there

君が隣にたたずんでいなくても

My heart still belongs to you

街の手触りはこの体を抱きしめてくれる

My heart still belongs there

街はまだ、同じハーモニーに誘ってくれる

My heart still belongs to you

My heart still belongs there

 

words&pictures by Syunsuke